↓「はじめに」をごらんください (*´∀`*) ↓
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
なんか疲れる1週間だったぜ…
12/03投稿分のつづき
12/03投稿分のつづき
CHILDREN OF GROUND
第2章 過去より、遣わされる者
1:再会
:
フィアの視線の先に、カシスが気づいた。一瞬驚いた顔をして、フィアに振り向いた。
第2章 過去より、遣わされる者
1:再会
:
フィアの視線の先に、カシスが気づいた。一瞬驚いた顔をして、フィアに振り向いた。
「おい――」
「下がって!!」
近づいてくるカシスに、フィアは怒鳴った。
彼女が、逃げる隙を与えるはずがないことは分かっていた。
逆手で剣を呼び出すと、激しい金属音が目の前で響いた。通行人から甲高い悲鳴が上がった。
黒塗りの刃と共に突進してきた少女が、剣ごとフィアを押し込もうとしていた。
黒塗りの刃と共に突進してきた少女が、剣ごとフィアを押し込もうとしていた。
「くっ……」
明らかに不利な迎撃姿勢だったが、相手が身軽だったのが幸いだった。重心を下げて全身の力で弾き返すと、少女は逆らわずに飛び退き、間合いを取った。
辺りはどよめいていたが、真剣をみて血相を変えた。巻き添えを恐れて皆逃げ惑い、通りが大混乱に陥った。だんだんと、フィア達の周りから人々が遠ざかり、あんなに賑わっていた通りから、あっという間に人気がなくなった。
辺りはどよめいていたが、真剣をみて血相を変えた。巻き添えを恐れて皆逃げ惑い、通りが大混乱に陥った。だんだんと、フィア達の周りから人々が遠ざかり、あんなに賑わっていた通りから、あっという間に人気がなくなった。
剣を片手に、黒の外套を柔らかに風になびかせながら、少女は豊かに膨らんだ唇を開いた。
「ル・ドゥワイエ、セシル?」
これだけの混乱を引き起こして、花のような微笑を浮かべる彼女にぞっとする。高く透き通った声だった。しかし、その言葉の意味がわかった人間は、フィアだけだろう。この世の、何処を探しても。
返す言葉を失って黙していると、少女は言葉をかえた。
「それとも、もう龍の言葉は忘れてしまったの? 姉様」
『私はあなたの姉なんかじゃない』
鋭く囁くように、フィアは言い放った。少女が先ほど使ったのと、同じ言葉で。
少女は小首を傾げた。
『もう、イルミナのことはお忘れ?』
『あなたもイルミナではないでしょう』
少女の名を口にしたとき、自然と剣を握る手が震えた。
『そうね。わたしはもうわたしじゃない』
あっさりと彼女は頷いた。そして、きっ、とフィアを睨みつけて、言い放った。
『でも、それもこれも全て……お前のせいよ、セシル=ピラウス!!』
イルミナは漆黒の剣を、その場で横に大きく薙いだ。その残像から生まれた影がいくつかに分かれ、獣のように襲い掛かってきた。
「ファランゾルン!」
不意打ちでなければ、遅れを取りはしない。言霊とともに振り挙げた左手から、白い閃光が伸びる。光を受けた影は、散り散りになって消えうせた。
それを見届けずに、フィアは跳びだした。消えゆく影を振り払うように、一気に間合いを詰めると、イルミナが目を見開くのが見えた。懐にもぐりこむと、一瞬の動作で漆黒の剣を絡めとり、天高く弾きあげる。
「このっ…!」
無手になってもなお、イルミナは向かってこようとした。そのまえに、イルミナの細い首筋に刃を押し当てる。
『白昼の街中で、これ以上の騒ぎは必要ないでしょう? 退きなさい』
がらん、と派手な金属音が響いた。跳ね上げた少女の剣が、道に落ちた音だった。イルミナは、感情のない目をフィアに向けた。
『……殺せばいいじゃない』
『馬鹿なこと言わないで!』
『どうして?』
イルミナがせせら笑った。
『あの時は、みんな殺したくせに!』
その言葉に、目の前が暗くなったような気がした。古い記憶が、全身を駆け巡った。
血の臭いがした。肉を裂く感触と、刃の冷たさと、全身を濡らす返り血の暖かさ――
『ヴァルカスタ!』
イルミナの言霊とともに、身体が軽くなった。
耳鳴りがひどく、全身が痺れて動かない。何があったのか、すぐにはわからなかった。内臓が落ち込むような感覚に捕らわれてから、自分が空高く跳ね上げられたことに気づいた。
「――!!」
向かい来る地面と、全身を突き抜ける衝撃を感じて、フィアは意識を失った。
* * *
あっけない。
以前より力の使い方を思い出しているが、この程度で倒されるようでは、かのピラウスも形無しだ。
派手な音を立てて、セシルが露天商のテントの中に落ちた。何もかもを押しつぶし、砂埃があがった。見ると、セシルが力なく横たわっているのが見えた。ぴくりとも動かない。直接地面に叩き付けられたわけではないから、死んではいないだろう。
イルミナは歩み寄りながら、左手を振り上げた。次の瞬間、何も無かったはずの彼女の手に、先ほどの漆黒の剣が現れる。もしこの剣がなければ、不完全とはいえ互角に争うことはできなかったろう。
イルミナは歩み寄りながら、左手を振り上げた。次の瞬間、何も無かったはずの彼女の手に、先ほどの漆黒の剣が現れる。もしこの剣がなければ、不完全とはいえ互角に争うことはできなかったろう。
この剣は、深い夜の闇そのもの。いかなる光も断ち切る漆黒の牙。
「お前さえいなければ…」
見れば見るほどに憎しみが湧く。この女のせいで、私が失った年月は果てしない。剣を強く握り締める。
今度こそ終わらせる。そうすれば、私は解き放たれる。
今度こそ終わらせる。そうすれば、私は解き放たれる。
あと数歩、というところで何者かが遮った。見知らぬ男だ。黒髪黒目の、どこにでもいそうな若者だ。鋭い目つきでこちらを睨み返していた。
「なんだか知らんが、白昼堂々と往来で派手な喧嘩しやがって……いい加減にしろ」
ヒトの言葉だ。分からないでもない。そもそも彼女は、もはや言葉を聴いて会話をしているわけではない。
『邪魔をするな』
言葉ではない。直接相手の頭の中に響かせる。容易いことだ。
男は一瞬戸惑ったようだった。
「なんだ…? 今のお前か?」
『退きなさい』
男はしかめ面になった。不機嫌そうな顔にまま、間合いを詰めてくる。
「普通に喋れ。気持ち悪い」
聴いているのか、いないのか。男は退こうとしなかった。こちらも時間が無い。セシルとの接触は、自分にとってもリスクが高い。一歩大きく踏み出して間合いを詰めると下方から斬りつける。避けにくい軌道だ。
ガギンッ
予想と異なり、固い手ごたえを感じて動揺する。
彼女の剣は、特別な剣だ。只の防御では防げるはずがない。
自分を妨げている剣を見て、はっとする。思わず、その場を跳びのいた。
白刃の剣。
「なぜ……!?」
セシルの剣を、何故か男が持っている。
セシルの剣を、何故か男が持っている。
持つことができるはずがない。セシルの剣と、彼女の剣。この二振は、見た目どおりの剣ではない。凡人は、触れることすらままならない。そのはずだ。
「ふん。剣なら、ちっと覚えがあるんでね」
男が見当違いの事を口にした。そして、何食わぬ顔で剣を構える。
「……」
得体の知れない男に対して、一歩が踏み出せなかった。セシルと行動をともにしていたのなら、何か特別な理由があるのかもしれない。それに――
(もう時間が……)
胸が苦しい。警告だ。
これ以上留まるには、私という存在は、あまりに脆い。
あいつがセシルを見つける前に、排除してしまいたかった。だが、今は無理だ。
「覚えておきなさい!」
歯が軋んだ音を立てるほど、強く奥歯を噛み締めながら、イルミナはその場を退いた。
-------------
伏線張るのが下手くそなため
なんかよくわからない雰囲気。
つづけばいいのさ!
PR
この記事にコメントする
カテゴリー
最新記事
(11/20)
(07/21)
(10/25)
(08/28)
(08/14)
ブログ内検索