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パソコンしすぎて
「腰がいたい」って言ったのに
「ああ…なるほど・・・」って
バイトの後輩に意味深な笑いを浮かべられて
思わずぶちきれそうになった
認めたくないものだな若さゆえの過ちは。
12/06投降分のつづき。
長い。
「腰がいたい」って言ったのに
「ああ…なるほど・・・」って
バイトの後輩に意味深な笑いを浮かべられて
思わずぶちきれそうになった
認めたくないものだな若さゆえの過ちは。
12/06投降分のつづき。
長い。
CHILDREN OF GROUND
第2章 過去より、遣わされる者
3:彼女の真実
部屋の中は静かだった。閉め切っているのに、時折窓下の音がカシスの耳にまで届く。彼が足を組み変える以外、物音を立てる者はおらず、窓から差し込む西日が室内に澱んでいた。
第2章 過去より、遣わされる者
3:彼女の真実
部屋の中は静かだった。閉め切っているのに、時折窓下の音がカシスの耳にまで届く。彼が足を組み変える以外、物音を立てる者はおらず、窓から差し込む西日が室内に澱んでいた。
意識の無いフィアを抱えて宿屋まで戻ったはいいが、警備隊の連中が詰め掛けてきた。事情聴取、といわれたが、事情など知らない。クノンが気を利かせて、事情の代わりに、高そうな宝石を数個差し出した。いったいどこにそんな代物を隠し持っていたのか。おかげで、なんとか話がついた。とにかく叩きだされることはないだろう。
一時の安息を得たわけが、明朝にはここを立ち去らねばなるまい。思い出すだけで疲れが押し寄せてくる。カシスは深くため息をつくと、沈みこむように椅子の背もたれに体重を預けた。
部屋には、カシスひとりではなかった。ベッドの上で、意識のないフィアが横たわっている。仰向けの姿勢で、浅い呼吸とともに、体がかすかに上下しているのが、シーツ越しでも見て取れた。あれだけ派手に落下した割には、フィアに大きな傷はなかった。ただ右肩が腫れあがっていた。打撲だろう。医者を呼べる状況でもないので、カシスが処置をしたわけだが、気休め程度だ。痛むのか、時折苦しげな寝言が聞こえる。
心配したところで、目が覚めれば彼女の得意の魔法で、すぐに治してしまうのだろうが。
心配したところで、目が覚めれば彼女の得意の魔法で、すぐに治してしまうのだろうが。
「う…」
うめき声が聞こえて、顔をあげる。フィアが目覚めたらしい。見ると、既に身体を起こしていた。ベッドの上にすわりこんで、口元を押さえている。気分が悪いのか。
「大丈夫か?」
近寄って、その背に触れようとした。
弾かれたようにフィアの体が震えた。振り返る彼女の手元で、白い影が輝いた。
ほんの一瞬。
少女の乱れた緑の髪が、宙を舞った。
その向こうに隠れた、怯えきった青い瞳。
窓枠に切り取られた斜陽。
青白い刃が、西日を受けて妖しく煌いた。
首を傾けると、左の首筋を、影が掠める。
そこで、時間が止まった。
フィアの振るった剣は、カシスの左肩の上で静止した。
彼女の荒い息遣いが、聞き取れる。もしも、重心がもう少し前に出ていたら、間違いなく頭蓋に刺さっていたところだ。目で追うこともできなかった。そんな悠長なことしていたら、避けられたかどうか。
彼女は両の手で剣を掲げていた。この近距離で、あれだけ威力のある刺突を打つのは、腰の回転があったとしても、当然肩の力が要る。
(右肩はまだ腫れているというのに)
痛みすら厭わないほど、怯えている。頬は硬く強張り、瞳がせわしなく揺れている。フィアが神経を張り詰めているのが、ひしひしと伝わっきた。やがて彼女の目が、ゆっくりとカシスに焦点を合わせた。
「…カシス」
剣を構えたフィアが、驚いたように呟いた。剣を向けている人間に害がないと、やっとわかったのだろう。詰めた息をゆっくりと吐き出した。
「…ごめんなさい」
「ごめんで済むか、馬鹿野郎」
軽口を叩いたつもりだが、こころなしか声が震えた。背中に冷や汗が浮いて、心臓が高鳴った。
何も言わずフィアは剣を引っ込め、痛そうに右腕をさすった。彼女は、剣を持ち直したように見えた。そんなふうに見えたのは一瞬で、瞬きする間に彼女の手の内が空になる。
ほぉ、と感嘆の声をあげる。前から気にはなっていたのだが、どうやら特殊な剣なようだ。もしくは、彼女の力が特殊なのか。
「すごい手品だな」
「そうね」
カシスの間の抜けた感想も、適当に受け流された。
フィアの顔色は、白いというより、蒼い。具合が悪いのは一目瞭然だった。
「ねぇ、何があったの?」
「うん?」
フィアが、力のない声で尋ねてきた。危うく聴きこぼすところだった。
「イルミナは……あの女の子は、どこに行ったの? どうして私、生きてるの?」
声を出すのも辛いのだろう。矢継ぎ早に尋ねられた。
交戦の最中から記憶がないのだから、気になるのも無理ない。カシスは手短に答えた。
「あいつはすぐにどっかに消えた。そのあと、お前をここまで運んできた」
「消えた? なぜ?」
それは、カシスも疑問に思っていた。何か、焦っているように見えた。
「知るか。煙みたいに消えやがった」
他に言い様がない。フィアは、考え込むように頭を抱えた。
「…あなた、大丈夫なの? 怪我は?」
「無傷だよ。あんな子供に遅れはとらない」
怪我人に、怪我の心配をされていては世話ない。
「カシスが、助けてくれたの?」
心底意外そうに、フィアが尋ねてきた。肩の力が抜ける。
そんなに薄情に見えるのだろうか、俺は?
口の端を歪ませて、皮肉げに笑ってみせる。
「意外か? 俺だってそれぐらいの甲斐性はあるさ」
「じゃあ、なんで無事なの?」
「お前、俺のこと馬鹿にしてないか?」
少し、傷ついた。たしかに、あの場で魔法を使われたら、命はなかったかもしれない。魔法でも剣でも腕がたつフィアから見れば、自分は頼りないのかもしれない。
「そうじゃなくて」
フィアは少し語気を強めて、苛立たしそうに言い放った。
「そうじゃなくて、ただの筋肉馬鹿がどうやって昏龍の力を防げたのかって訊いてるのよ」
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長いので半端にカット
筋肉馬鹿につづく 笑
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