↓「はじめに」をごらんください (*´∀`*) ↓
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最近の出来事
スタバのコーヒー豆買いました。
メーカーでなくドリッパーで淹れてます。
うまい…(*´∀`*)
パソコン壊れたかと思った。
「ちょ、今週プレゼンあるんですけどー!」とか思っていたら
NumberLockの仕業かコノヤロー!orz
さて小説更新です。
11/07投稿分の続きです。
流血表現があります。ご注意ください(今更ですが…)
スタバのコーヒー豆買いました。
メーカーでなくドリッパーで淹れてます。
うまい…(*´∀`*)
パソコン壊れたかと思った。
「ちょ、今週プレゼンあるんですけどー!」とか思っていたら
NumberLockの仕業かコノヤロー!orz
さて小説更新です。
11/07投稿分の続きです。
流血表現があります。ご注意ください(今更ですが…)
CHILDREN OF GROUND
第1章 沈黙の森
3:最奥へ
嘘だ。
うそだ、うそだ、うそだ。
こんなことが、起こるはずは無い。あっていいはずが無い。
頭の中は、言葉で一杯だった。役に立ちそうなことは何も思いつかない。震える吐息も、傷ついた体も、消えかかった命をとどめるためには何の役にも立たなかった。
いちばん大切な人が、力無く目の前に横たわっていた。
意味のない嗚咽を繰り返しながら、血と泥に汚れた彼の頭を掻き抱く。彼はまったく目を醒まさなかった。青白い顔のまま、腹に開いた大穴から血を流すだけだった。まるで割れた器から水が漏るように、ゆるゆると流れ出ていた。
夢中で、彼女はその傷口を押さえた。片手では足りず、両手を使っても出血は止まらず、彼の命が彼女の指を容易くすり抜けていく。たちまち彼女の体は朱に染まった。生臭さが脳まで突き抜けた。彼女の両手を濡らす血も、成す術もなくぬくもりを失っていく。胸が張り裂けそうだった。泣き出したいのに、泣き方さえもわからない。
どうか。
どうか、誰か。神様。
この子が。こんなにいい子が死んでしまうなんて。私なんかが生き残って、この子が逝ってしまうなんて。そんなことはさせないで。もう何もいらないから。私が代わりに死ぬから。だからどうか彼を助けて。お願いだから私の所為で死なないで。
お願い、私を置いていかないで――
「生きて」
びくりと、まるでひきつけを起こすようにしてフィアは目覚めた。
心臓が激しい動機を繰り返していた。肺を半分どこかに落としてきたのだろうか、酸素を求めて呼吸が慌しく乱れていた。胃の辺りがどこか重苦しく、痛んだ。たった今の今まで悪夢を見ていた証だ。
目だけ動かして辺りを窺う。背の高い木々に覆われ、薄暗かった。
呼吸が落ち着いてから、ゆっくりと彼女は体を起こした。落ち葉や腐葉土の上とはいえ地面で寝たせいか、体の節々が痛んだ。寒気を覚えて、思わず身震いする。体を洗うほどではないが、うっすらと寝汗をかいたようだ。
深く森の冷気を吸い込み、そして吐き出してから、ようやくフィアは自分を見つめる存在に気付いた。枯れ葉色の髪の少年――クノンだった。フィアの傍らに座り込み、困惑した面持ちだった。
ふと、寝言でも聞かれたのではないか、と嫌な予感がした。久しぶりに、やけに鮮明な夢だった。まだ、掌に濡れているような感触がある。
「おはよう」
それでも彼女は――それはかなりの努力を必要としたが――クノンに声をかけた。寝ぼけ気味のかすれ声だった。
クノンはしばらくぽかんとしていたが、すぐいつもの人当たりの良さそうな笑顔を浮かべた。
「ああ、おはよう。びっくりした。起こそうと思ったら、いきなり起きるから」
クノンの困惑はそれだけだったらしい。朝ごはんだよ、とそれだけ言い置いて、何も気に止めた様子も無くその場から離れた。その先では、カシスが朝食の用意をしているようだった。
彼等の背を見つめているうちに、不意にこぼれた涙を悟られぬように拭う。ようやくフィアは立ち上がった。毛布を畳む。
(泣いては駄目)
静かに心の中で呟く。幾度となく、呪文のように繰り返してきた言葉。
(今は立ち止まっては駄目。進まなくては)
朝だというのに厚い木々の天井は日の光を通さず、森は夕闇のように薄暗く重苦しかった。
------------------
夢オチ。
中途半端につづく。
第1章 沈黙の森
3:最奥へ
嘘だ。
うそだ、うそだ、うそだ。
こんなことが、起こるはずは無い。あっていいはずが無い。
頭の中は、言葉で一杯だった。役に立ちそうなことは何も思いつかない。震える吐息も、傷ついた体も、消えかかった命をとどめるためには何の役にも立たなかった。
いちばん大切な人が、力無く目の前に横たわっていた。
意味のない嗚咽を繰り返しながら、血と泥に汚れた彼の頭を掻き抱く。彼はまったく目を醒まさなかった。青白い顔のまま、腹に開いた大穴から血を流すだけだった。まるで割れた器から水が漏るように、ゆるゆると流れ出ていた。
夢中で、彼女はその傷口を押さえた。片手では足りず、両手を使っても出血は止まらず、彼の命が彼女の指を容易くすり抜けていく。たちまち彼女の体は朱に染まった。生臭さが脳まで突き抜けた。彼女の両手を濡らす血も、成す術もなくぬくもりを失っていく。胸が張り裂けそうだった。泣き出したいのに、泣き方さえもわからない。
どうか。
どうか、誰か。神様。
この子が。こんなにいい子が死んでしまうなんて。私なんかが生き残って、この子が逝ってしまうなんて。そんなことはさせないで。もう何もいらないから。私が代わりに死ぬから。だからどうか彼を助けて。お願いだから私の所為で死なないで。
お願い、私を置いていかないで――
「生きて」
びくりと、まるでひきつけを起こすようにしてフィアは目覚めた。
心臓が激しい動機を繰り返していた。肺を半分どこかに落としてきたのだろうか、酸素を求めて呼吸が慌しく乱れていた。胃の辺りがどこか重苦しく、痛んだ。たった今の今まで悪夢を見ていた証だ。
目だけ動かして辺りを窺う。背の高い木々に覆われ、薄暗かった。
呼吸が落ち着いてから、ゆっくりと彼女は体を起こした。落ち葉や腐葉土の上とはいえ地面で寝たせいか、体の節々が痛んだ。寒気を覚えて、思わず身震いする。体を洗うほどではないが、うっすらと寝汗をかいたようだ。
深く森の冷気を吸い込み、そして吐き出してから、ようやくフィアは自分を見つめる存在に気付いた。枯れ葉色の髪の少年――クノンだった。フィアの傍らに座り込み、困惑した面持ちだった。
ふと、寝言でも聞かれたのではないか、と嫌な予感がした。久しぶりに、やけに鮮明な夢だった。まだ、掌に濡れているような感触がある。
「おはよう」
それでも彼女は――それはかなりの努力を必要としたが――クノンに声をかけた。寝ぼけ気味のかすれ声だった。
クノンはしばらくぽかんとしていたが、すぐいつもの人当たりの良さそうな笑顔を浮かべた。
「ああ、おはよう。びっくりした。起こそうと思ったら、いきなり起きるから」
クノンの困惑はそれだけだったらしい。朝ごはんだよ、とそれだけ言い置いて、何も気に止めた様子も無くその場から離れた。その先では、カシスが朝食の用意をしているようだった。
彼等の背を見つめているうちに、不意にこぼれた涙を悟られぬように拭う。ようやくフィアは立ち上がった。毛布を畳む。
(泣いては駄目)
静かに心の中で呟く。幾度となく、呪文のように繰り返してきた言葉。
(今は立ち止まっては駄目。進まなくては)
朝だというのに厚い木々の天井は日の光を通さず、森は夕闇のように薄暗く重苦しかった。
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夢オチ。
中途半端につづく。
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