↓「はじめに」をごらんください (*´∀`*) ↓
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今から実家に帰ります。
でも準備も何もしてない帰る時間も連絡してない。
盆も帰ってないというのに…
きっと家族だからだいじょうぶ!(なにが?
11/13投稿文のつづき
CHILDREN OF GROUND
第1章 沈黙の森
3:最奥へ
:
思ったほど魔物の奇襲はなかった。
森の奥へ進めば進むほど、木々の背は異常に高くなり、天蓋もどの辺りの高さにあるのか、もはや見て取れなくなっていた。日はまだ高く上っているはずなのに、あたりは日暮れのように暗い。
《石》は、森の最も暗いところで眠っている――噂が真実ならば、彼らは《石》に近づいているといえるだろう。
再び三人が足を止めたのは、足元もおぼつかないほど闇に包まれた時だった。
「明かりをつけたほうがよくないか?」
木の根に躓きかけたところで、カシスがうめいた。
「僕もそう思う」
「そうね」
クノンが同意し、フィアも頷いた。
「ランタンは、ひとつでいい?」
「僕らも一つ持ってるから……二つとも点けた方がいいよ。何があるかわからないし。燃料はあるよね?」
二人がそうして話している傍らで。
カシスはそばの倒木の陰で何かが光ったのが見えた。白い光だったなら、ただの反射だと思うところだが、それは怪しい赤色だった。
(……?)
倒木に近寄る。元ははかなりの大木だったようで、幹の直径はカシスの胸ほどまである。倒木に手をかけ、ゆっくりと、その向こう側を覗き込もうとして――
倒木の反対側から、その手を唐突につかまれた。
手を引く間もない。何者かに、腕がちぎれそうな勢いで引きずりこまれる。罵る間もなく、さらに咽喉をつかまれ、地面に叩きつけられたかと思えば、そのまま天地が逆さになった。落下するときのあの浮遊感に包まれ、内臓がぞっと萎縮する。
倒木の裏側には、崖でもあったのか。何度も地面に体を打ち付けながら、カシスは謎の手と共に転がり落ちた。一際強く体を打ち付けたところで、ようやく落下が止まった。彼を掴んだ手はいつのまにか離れていた。
すぐ起き上がらねば―― 頭でわかっていても、体は痙攣を起こし、立てそうにはなかった。全身が気だるく、右足がしびれている。熱病に浮かされた時のように、視界がぐるぐると回っていた。足の痺れが激痛に変わる頃、だいぶ視界ははっきりしてきた。カシスは、ようやく自分を引きずり倒した正体を見た。
蜥蜴だ。全長で言えばカシスの身の丈よりも大きい。闇の中でみるその姿は、目も爪も牙も角も翼も鱗も全て黒く、どこか生気を感じさせない。蜥蜴は一匹ではなかった。カシスの正面にいる一匹の後ろには、似たような魔物が十数頭控えていた。
ふと、カシスは違和感を抱いた。
普通、蜥蜴には角はない。ましてや翼など。蜥蜴の中でも名高いのは火蜥蜴だが、それにだってはっきりと角と解るものや、翼はない。明らかに爬虫類の魔物であるが、これは、蜥蜴とは違う。
まるで、昔話に出てくる龍のようだ……
その閃きはごく一瞬のことで。
彼と視線がかち合うと、魔物は音も無くその大きな口を開いた。
-----------------
主人公を蹴落とすのが大好きです!
つづく。
第1章 沈黙の森
3:最奥へ
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思ったほど魔物の奇襲はなかった。
森の奥へ進めば進むほど、木々の背は異常に高くなり、天蓋もどの辺りの高さにあるのか、もはや見て取れなくなっていた。日はまだ高く上っているはずなのに、あたりは日暮れのように暗い。
《石》は、森の最も暗いところで眠っている――噂が真実ならば、彼らは《石》に近づいているといえるだろう。
再び三人が足を止めたのは、足元もおぼつかないほど闇に包まれた時だった。
「明かりをつけたほうがよくないか?」
木の根に躓きかけたところで、カシスがうめいた。
「僕もそう思う」
「そうね」
クノンが同意し、フィアも頷いた。
「ランタンは、ひとつでいい?」
「僕らも一つ持ってるから……二つとも点けた方がいいよ。何があるかわからないし。燃料はあるよね?」
二人がそうして話している傍らで。
カシスはそばの倒木の陰で何かが光ったのが見えた。白い光だったなら、ただの反射だと思うところだが、それは怪しい赤色だった。
(……?)
倒木に近寄る。元ははかなりの大木だったようで、幹の直径はカシスの胸ほどまである。倒木に手をかけ、ゆっくりと、その向こう側を覗き込もうとして――
倒木の反対側から、その手を唐突につかまれた。
手を引く間もない。何者かに、腕がちぎれそうな勢いで引きずりこまれる。罵る間もなく、さらに咽喉をつかまれ、地面に叩きつけられたかと思えば、そのまま天地が逆さになった。落下するときのあの浮遊感に包まれ、内臓がぞっと萎縮する。
倒木の裏側には、崖でもあったのか。何度も地面に体を打ち付けながら、カシスは謎の手と共に転がり落ちた。一際強く体を打ち付けたところで、ようやく落下が止まった。彼を掴んだ手はいつのまにか離れていた。
すぐ起き上がらねば―― 頭でわかっていても、体は痙攣を起こし、立てそうにはなかった。全身が気だるく、右足がしびれている。熱病に浮かされた時のように、視界がぐるぐると回っていた。足の痺れが激痛に変わる頃、だいぶ視界ははっきりしてきた。カシスは、ようやく自分を引きずり倒した正体を見た。
蜥蜴だ。全長で言えばカシスの身の丈よりも大きい。闇の中でみるその姿は、目も爪も牙も角も翼も鱗も全て黒く、どこか生気を感じさせない。蜥蜴は一匹ではなかった。カシスの正面にいる一匹の後ろには、似たような魔物が十数頭控えていた。
ふと、カシスは違和感を抱いた。
普通、蜥蜴には角はない。ましてや翼など。蜥蜴の中でも名高いのは火蜥蜴だが、それにだってはっきりと角と解るものや、翼はない。明らかに爬虫類の魔物であるが、これは、蜥蜴とは違う。
まるで、昔話に出てくる龍のようだ……
その閃きはごく一瞬のことで。
彼と視線がかち合うと、魔物は音も無くその大きな口を開いた。
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主人公を蹴落とすのが大好きです!
つづく。
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