↓「はじめに」をごらんください (*´∀`*) ↓
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さてさて続き更新ですが、
若干気持ち悪い描写があるので注意。
想像力豊かな人は注意。
流血描写注意。
読まなくても次の展開には差し障りないようにがんばって書いてみました注意。
こんだけ注意注意言ってる割りには大したことねぇなとか言わないように注意。
03/16投稿分のつづき
若干気持ち悪い描写があるので注意。
想像力豊かな人は注意。
流血描写注意。
読まなくても次の展開には差し障りないようにがんばって書いてみました注意。
こんだけ注意注意言ってる割りには大したことねぇなとか言わないように注意。
03/16投稿分のつづき
CHILDREN OF GROUND
第3章 山上の宴唄
5:いつつ いきあうふたりのこいは
「なんだ、この女?」
第3章 山上の宴唄
5:いつつ いきあうふたりのこいは
「なんだ、この女?」
「アルブの町で、一騒動あった話、聴いてないか?」
「アルブ?」
「なんでも、怪しげな術を使う2人組みが暴れまわったとか」
「《聖法》だ。その力を買いたいって奴はぁ、山ほどいるさ」
なるほど、そういうことか。
気を失っていた時間は、そう長くはないだろう。殴られた腹は痛むが、体のほかの部位が痛むということはない。後ろ手に縛られ、硬い床に転がされている。足も縛られている。動けない。
フィアは、目を閉じたまま、耳だけで状況を確認しようとした。複数の男達の会話。酒場の喧騒は聞こえない。声の反響具合から、さほど広い部屋でもない。宿の一室。そんな気がした。
「このナリじゃあ、足もつかんだろ」
「もうちょい子どもだったら、値段も跳ね上がるのに……」
「まぁ、ただのガキより値が張るさ」
前にも同じことがあった。
たったひとりで旅を続け、行き倒れたとき。妙に丁寧な商団が、彼女を拾い、近場の町までつれていってくれた。適切な治療を受けられたおかげで、一命を取りとめたわけだが、彼らにも算段はあった。人買いに売り飛ばすつもりだったのだ。
あのとき、彼らの話を立ち聞きしていなかったら、逃げきれなかったろう。
だが、逃げても一緒だった。今、こうして捕まって、まさに売り飛ばされそうになっている。
そうだ。逃げ出した過去が、今更追いついてきたのだ。千年経って、目覚めた龍の牙のように。
「ねえさん」
目を開ける。目に映った世界はやはり見覚えのあるものではなかった。少なくともあの酒場ではない。まだあの娼館にいるかどうかもあやしい。低い天井に向いていた顔をそっと右に向ける。
肩膝をついた少年がいた。まっすぐで細い黒髪。紫水晶の瞳。口元に浮かべた、人懐っこい微笑み。
「レオ」
呼びかける。弟の姿を認めて、フィアは心が温かく満たされるのを感じた。
なんだ。そこにいたの、レオ。
「迎えにきたよ、ねえさん」
すこし照れたように、レオが笑った。
頷いて、右手を差し出す。その自分の右手を見て慄く。
白い短剣。柄まで血で汚れ、フィアの腕も同じ赤で染まっている。
「え……?」
違う。この短剣は、この記憶は、私のものじゃない。
すがる想いでレオに視線を向ける。
「ねえさん」
弟は。
笑顔だけど。
顔が半分溶けていた。
彼の指が伸びてくる。指先の肉がなくなり、白い骨が覗いている。
「ねえさん…… ねえさん……」
頬がなくなり、むき出しの眼球から涙がこぼれる。
「レオ」
短剣を捨てる。体を起こして、弟を抱きしめようとする。
半立ちになれば、しゃがみこんだ弟の頭を抱ける高さだった。
腕が絡んで、腐りかけた彼の体に触れる。
ぱちん。
腕の中で、何かが跳ねた。同時に、水風船が割れたような音を立てる。
驚いて両腕を開くと、体の前が、べったりと赤で汚れていた。
「レオ?」
彼は、私の足元で倒れていた。
腹部にあいた穴から、とめどなくこぼれる赤。
捨てたはずの短剣が、フィアの右手にある。
「う……」
レオが身じろぎした。その顔は、その体は、もう溶けても腐ってもいなかった。
まだ息がある。腹部を押さえ、苦痛に歪んだ顔をどうにかして私に向けた。
「ねえさん……」
弟は傷だらけだった。
私のかわりに、彼が傷を受けてくれた。
何度も。何度も。何度も。
私の短剣は、弟の血で濡れる。
違う。
その短剣は私のものじゃない。
いいえ、私のものだってわかってる。だけど、彼は違う。
お願い、やめて。
いっしょにしないで。弟は返して。かわりに私をあげる。
気持ちが、言葉にならない。口を開け閉めしながら、苦しみ悶える弟をみて、フィアはただ涙をこぼした。
「約束だよ、ねえさん」
やめて。
私からあの子の記憶を奪わないで。
フィアは、その短剣を両手で持つと、自分の喉を突いた。
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ぬうううんん 抽象的ってむずかしぃぃ
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