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年賀状かいてねぇ…
こんな小説書いてる場合じゃなくね?
なんて思わなくなってきた。
最近理性が上手く機能してくれません。
12/25投稿分のつづき
こんな小説書いてる場合じゃなくね?
なんて思わなくなってきた。
最近理性が上手く機能してくれません。
12/25投稿分のつづき
CHILDREN OF GROUND
第2章 過去より 遣わされる者
4:牙
:
闇よりさらに深い闇。
第2章 過去より 遣わされる者
4:牙
:
闇よりさらに深い闇。
真性の闇より鍛え抜かれた昏龍の剣。その力は、時にピラウスの能力を上回り、あるいは増幅する。
今まさしく、イルミナは剣の力を解放しようとしていた。
「やめなさい! ――イルミナ!」
伸ばした手は、闇の威圧に弾かれて届かない。
木々が、空が、フィアの足元さえも、歪んだ闇に飲まれていく。星の輝きが奪われ、冴え渡る風さえも止まる。2人を中心に、世界が消えていく。
規模は、おそらくこの雑木林では留まらない。ぞっとしてフィアは叫んだ。
「やめて! あの町まで飲み込んでしまう!」
「全部なくなっちゃえばいいのよ!」
暗闇の中心で、イルミナが頭を抱えて絶叫した。
「兄様も、姉様も―― もう誰もいない! もう大切なものなんて何にも残ってない! 何もかも、消えてなくなるのよ!」
嘆きを写すように。絶望を表すように。
叫ぶ声に乗って、影が全方位に侵食する。
「こんな世界だけが残って、なんになるの!?」
イルミナが掲げた左腕とともに、力の波が突風となって吹きつけた。
眼前をかばう。立っているのがやっとだった。
突風にのって、長い詠唱が朗々と響く。
『闇を侍らす者。深海をしろしめす者。全てに宿り、何者にも宿ることなく、孤独の淵に住まう。眠る夜に目覚め、胸に抱くは新月の欠片。黒の砦に紫紺の花を。寄る辺無き民に影の安息を……』
紡ぐごとに、闇が深まっていく。
色を音も飲み込み、耳鳴りがした。
昏龍の召喚。龍族を、島を喰らった暗闇。
――あのとき、私たちはどこにいた?
巨大な闇が、月を隠す。
――セシルは、何をした?
『ヴァルカスタ=リーディア!』
浮かんだのは、彼女の記憶ではなかった。
いつも不機嫌そうな剣士と、穏やかな魔道師の少年の顔。
(私達には関係ないでしょう)
フィアは左腕を掲げた。
深く息を吸い、声高に叫ぶ。
『ファランゾルン!』
たった一筋の光。
まっすぐに、暗闇に飲み込まれていく。
次の瞬間、拡がりはじめていた闇が、硝子が砕けるような音を立てて、割れて散った。
発散させられた力が空気を叩き、激震となって大地に響いた。
破片が夜に舞い、地に落ちる前に、夜風に溶けた。
月明かりがもどり、力を失ったイルミナがその場に座り込むのをつぶさにさらした。
「どうして……」
「その言霊では、昏龍は呼べない。闇に呑まれるだけ」
それでも、龍族は呑みこまれて消滅した。
再び、夜の風が頬を撫でる。フィアは胸の前の服を強く掴んだ。
胸が痛い。心臓の高鳴りが激しい。押さえこもうとすれば、呼吸はむしろ荒くなった。
「でも、レリス様に教えてもらったもの!」
「千年前、同じ言葉で召喚に失敗したはずだ」
言葉が、口をついて勝手にこぼれる。
頭は、口にしたのとは別のことを考えていた。
待って。違う。吐き出したいのは、そんなものじゃない。
「あのときは、私が力不足だっただけで――」
「レリス=パラウスは、お前の本質に気づいていた。だから真の言葉を教えなかった」
言わなくてもいいことだとわかっている。
それでも、胸が苦しい。こらえきれない衝動が全身に走る。
「レリス様が?」
「ミナ、お前は――」
苦しい。喉が締め付けられる。目の奥が熱い。
抑え切れない。今にも叫びだしたい。
なんだろう。この気持ちは……
「お前は、昏龍の牙ではないんだ」
「わかっているわ、そんなこと!」
イルミナが震えた声をあげた。
「わかっているもの、そんなことは……」
力なく呟いて、顔を両手に埋める。くぐもった声が聞こえる。
「姉様が、何もしなかったら…… ミナはミナでいられたのに。わたしは…… 傀儡に戻るしか……」
「傀儡?」
「だって、わたしは、あいつがつくった新しい依りしろだもの」
傀儡。依りしろ。
生きることも、死ぬことも許されない存在になった。さっき彼女はそう言った。
それと、同じことなのか。
「あいつを滅ぼせなかったくせに―― あいつに負けたくせに! それでも、私から全てを奪っていくのね」
泣きながら、イルミナは声を振り絞った。呪詛のように、重くフィアの胸に残る。
月が、浩々とふたりを照らし出す。どちらも動くことなく、虫の音が耳に届く。
「……あいつ?」
誰のことだろう? 思い当たらなくて、口に出す。
「私だ」
ふいに。
聞き覚えの無い声が割って入った。
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だから誰だよ!
こいつのせいで執筆続かなかったにつづく。
もうちょい。
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